『強いチームはオフィスを捨てる』を読んで学んだ内容を整理します。
原書『REMOTE: OFFICE NOT REQUIRED』は、2013年に Basecamp の CEO Jason Fried と Ruby on Rails の生みの親 David Heinemeier Hansson によって書かれたもので、リモートワークを取り入れることのメリットや、リモートワークを根付かせるために意識すべきことなどが述べられています。
日本語版は2014年に出版されました。
本のまとめ記事『Working remotely in a non-remote company』を読んで、内容に興味を持ち、読んでみることにしました。
デジタルノマドを考えている人には、とても参考になる一冊です。
強いチームはオフィスを捨てる
本書で学んだこと
チームの作業にリモートで参加する場合に意識すべきことについて整理していきます。
リモートワーカーのセキュリティ
Basecampが実施しているセキュリティのチェックリストは以下の通り。
- ハードディスクの暗号化(Macの場合デフォルトで入ってる「FileVault」などが利用できる)
- PCスリープ時の自動画面ロック
- ウェブサイト閲覧はSSL/HTTPSのみを利用
- スマホ・タブレットも自動画面ロック(「iPhoneを探す」機能もオンにする)
- パスワードは複雑なものにする(「1Password」などで管理する)
- Gmailの2段階認証を利用する
コアタイムを決める
毎日4時間程度同じ時間帯で働けるように「コアタイム」を設けておけば、必要なコミュニケーションを行うことができ、作業効率も上がる。
情報をオープンにする
タスク管理や資料共有など、情報は可能な限りオープンにしておけば、他の人からのレスポンスを待つ必要がなくなり全体の作業効率が上がる。
雑談スペースを作る
少し作業に疲れた時に立ち寄れるような「チャットルーム」などを作っておくと、リモートワークによる孤独感の軽減や一体感の向上に繋がる。
定期的な進捗報告
チームとしての一体感を育むために、カジュアルな形で定期的な進捗報告を行うのがよい。
孤独を甘く見ない
リモートワークを続けると、気づかないうちに孤独状態に陥ってしまうことがあるので、家族や友達と時間を過ごしたり、コワーキングスペースや近所のコミュニティなどで人と接する機会を作ったりすることを忘れないようにする。
運動不足に注意
リモートワークは出勤が不要なため、相対的に運動不足に陥りやすい。なので、自己の健康管理を意識して行う。
働きすぎに注意
自由なリモートワークは、仕事とプライベートの境界が曖昧になり、怠けるどころか働きすぎてしまうことが多い。自分なりの「オン/オフ」のルールを定めて独自のリズムを整えたり、積極的に外出したり休暇を取得することで、週40時間くらいの労働時間を目標にする。
本書を読んで、ひと言
本書で述べられているリモートワークのメリットは頷けるものばかりで、またそれらはインターネット技術の進歩により既に実現可能なものとなっています。
そして、今後ますますリモートワークが行いやすいような技術革新が進んでいくでしょう。
原書出版は2013年ですが、日本では現時点(2018年)でもリモートワークはまだまだ浸透していません。
これは、既存の体制にリモートワークを「アドオン」しようとしていることが原因だと思います。
リモートワークを取り入れることで得られるメリットは多いので、人々の働き方を「リモートワークができる体制」に合わせることができれば、多くの人がより豊かな人生を送れるようになるんだろうなと感じます。
ただ、これには働き方やマネジメントに関するパラダイムシフトが必要だったり、「リモートワークができる体制」には最低限のITリテラシーが求められるので、広く導入されるようになるまでにはもう少し時間がかかるのでしょう。
The night is darkest just before the dawn. And I promise you, the dawn is coming.(映画『ダークナイト』より)
案外夜明けは近かったりするかもしれませんね。
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