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『NO HARD WORK!: 無駄ゼロで結果を出すぼくらの働き方』を読んで

NO HARD WORK!: 無駄ゼロで結果を出すぼくらの働き方』を読んで学んだ内容を整理します。

原題は『It Doesn’t Have to Be Crazy at Work』で、2018年10月に出版されました。

Basecamp の CEO Jason Fried と Ruby on Rails の生みの親 David Heinemeier Hansson によって書かれたもので、平穏に効率よく働くためのマインドセットや仕組みなどが述べられています。

日本語版の本書は、この2019年1月に出版されました。

NO HARD WORK!: 無駄ゼロで結果を出すぼくらの働き方

NO HARD WORK!: 無駄ゼロで結果を出すぼくらの働き方

本書の概要

いや、仕事が忙しくてさ…。

やることが溜まってる!

こういうセリフを耳にすること、ありますよね?

なぜ、そんなに仕事が忙しいのでしょうか?

本書では、その理由を「色々な邪魔があるから」だと考えています。

そのような「crazy」な状況を打破するには、

① 自分自身で自分の時間を守り、
② 職場環境や社会に横行している「価値観」を変える

必要があります。

「がむしゃらに詰めてやること」が、ベストなやり方ですか?

長時間労働が、頑張ったことの「証」になっていないですか?

今ある考え方を改め、効率的に作業し、平穏さを保ち続ける。

それが持続可能な働き方だと提唱しています。

本書で学んだこと

日々仕事する中で、特に覚えておきたいことを以下にまとめました。

1. 肩肘張りすぎない

ビジネスでは、戦略や占有率など、「戦争」にまつわる表現が使われることがあります。

しかし、本当の戦争ではありません。

市場シェアを「征服」できなかったとしても、それは失敗ではなく、

きちんと顧客ベースを築き、商品・サービスに見合う報酬をもらうことができれば、ビジネスは成り立ちます。

「競争至上主義」によって、自分や従業員の時間を犠牲にし続けることは、多くの人にとって持続可能なやり方ではありません。

2. 作業時間の「量」

会社員の人が定時ダッシュしたとしても、

毎日8時間 x 5日 = 40時間

「週40時間」の勤務です。

これって相当な時間です。

1日8時間もあれば、色々なことができますよね。

ビンジ・ウォッチすれば、映画3, 4本観れますし、海外に移動することもできます。

「週40時間」は、物理的に十分多い勤務時間なのです。

そして大事な仕事は、この時間内に終えられるべきです。

もし作業が終わりきらなければ、

何も考えずに、残業や休日出勤で対応するではなく、

まず、定時にやった作業を棚卸し、「やるべき仕事」以外は、ばっさりカットしましょう。

時間延長のクセをつけるのでなく、「週40時間」以内でこなす努力をするのです。

3. 作業時間の「質」

1時間の作業時間でも

  • 60 x 1 = 60分
  • 15 x 4 = 60分

の2つは同じではありません。

細切れの時間では、高い集中力を保って、作業を進めることができないからです。

それにも関わらず、「15 x 4 = 60分」のような事態は頻繁に起こっていないですか?

同僚に話しかけられたり、急に電話がかかってしたり、上司に呼び出されたり…。

これだと「やるべき仕事」も定時内に、片付けることができません。

なるべく、集中力を中断されない環境を作り、質の高い時間で作業することを目指しましょう。

4. 「生産性」でなく「効率性」

「生産性」は、人間でなく機械のための言葉です。

機械は24時間働き続けることができますが、人間はできません。

人間に「生産性」を求めると、より速く・より多くの作業をこなせ!ということになります。

そして、この「より速く・より多く」に終わりはなく、「もっと速く・もっと多く」となります。

言い換えると、「生産性」とは、勤務時間を「仕事」で埋め尽くすことなのです。

このマインドセットを持続させるのは精神が病みますよね。

なので人間には「生産性」ではなく、「効率性」を求めましょう。

「効率性」は、時間を仕事で埋め尽くすのではなく、逆に仕事がない時間を作り出すことです。

そうやってできた「余裕」は、仕事以外のレジャーや家族との時間に割いて、また集中するための活力にするのです。

5. 「やらない」という選択

「何もしない」と決定するのは、勇気がいります。

それと同時に、「何もしない」は最強の選択でもあります。

なぜなら、何かを変えたり、何か新しいことを導入したりすることには、色々な問題が付き物だからです。

プランAとプランBで迷っているなら、「何もしない」というプランCも常に検討されるべきです。

6. 「十分」なラインを見極める

例えば、お客さんから問い合わせがきた場合、どれぐらいの時間で返信すべきでしょうか?

1時間、2時間?それとも、24時間?

早ければ早いに越したことはありませんが、十分に満足してもらえる水準は必ず存在します。

その「十分」なラインを見極め、その時間内に返信すれば問題はありません。

「より速く返信すべき!」などと、自分にプレッシャーを与える必要はないのです。

「十分」なラインは、自分自身も、お客さんも幸せにしてくれます。

7. やることを減らす

There is nothing so useless as doing efficiently that which should not be done at all. (Peter Drucker)
元々しなくても良いものを効率よく行うことほど無駄なことはない。(ピーター・ドラッカー)

たとえ、ライフ・ハック的なテクニックをたくさん駆使しても、人が持っているのは1日24時間。

「時間」そのものをコントロールできません。

したがって、より多くの仕事をこなすために真にやるべきは

「やらなくてよい仕事の棚卸し」です。

無駄なことはバッサリ切って、本当に必要な仕事のみに限りある時間を費やすのです。

本書を読んで、ひと言

本書の内容は、個人的に同意できることが多かったです。少し極端な表現で書かれている部分もありますが、それは既存の社会や企業にはびこっている文化にメスを入れる為だと思います。

そのやり方、持続可能?

文化・価値観は自然に作り出されていくものです。

そして、今ある文化・価値観の多くは、「競争至上主義」に基づいていることが多い気がします。

「他社より少しでも多く…」

「他人より少しでも前に…」

などなど。

その結果、急な対応や、長時間労働が当たり前になってしまうことがあります。

なぜなら、

「競争第一!」

だからです。

これはこれで成長するのに必要な場面もありますが、ずっとそのテンションでやり続けるのって、果たして持続可能なのでしょうか?

答えは、「否」だと思います。

考え方・行動を変える

既存の文化や価値観を変えるには、一人ひとりが行動を変えていくしかありません。

経営者など、権限のある人は、より全体的な働き掛けも可能です。

具体的には、

「週40時間」を十分な時間と捉えて、その時間内で仕事が終わるように努力します。

それと同時に、「やらなくてよい仕事」を棚卸し、無駄な作業をカットします。

そして、それぞれが質の高い時間で仕事ができるような環境作りに協力します。

その結果作り出された「余った時間」は、仕事以外のレジャーや家族との時間に費やしましょう。

「競争!競争!…」とならなくても、

きちんと顧客ベースを築き、商品・サービスに見合う報酬をもらうことができれば、ビジネスは成立します。

その方がよっぽど健全で、持続可能な働き方だと思いませんか?

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